- メグリの手招きに、なんだろうと近づく。
- と、隣にぎゅっと体を詰めてきた。
- トキヤ
- 「メ、メグリ? なんだいきなり」
- メグリ
- 「記念撮影です。兄さんはすっごく変わりました。パラメーターもカンスト状態です」
- メグリ
- 「その嬉しい気持ちを残しておきたいんです」
- トキヤ
- 「え、そ、そうかな。いや、そうか」
- メグリ
- 「はい! ほら、兄さん笑ってくださいっ」
- トキヤ
- 「ああ、ええと、チーズっ」
- メグリ
- 「それじゃあ、パシャッ。ですよ」
- 手をぐっと伸ばしたメグリがシャッターを押したことでフラッシュがパパっと焚かれた。
- メグリ
- 「兄さんは、バッチリ素敵になりました」
- トキヤ
- 「あ、ああ、痩せたしな。筋肉もついたし」
- メグリ
- 「成績も好調ですし、これなら編入試験は合格間違いなしですよ。必ず上手くいきます」
- メグリ
- 「さっきも言いましたけど、兄さんのパラメータはカンスト状態なんですからっ」
- やたらと俺を持ち上げてくれるメグリ。
- トキヤ
- 「……ああ、頑張ってくるよ」
- やれるだけ全てをやったつもりはある。
- それでも……直前になると少しだけ怖気がつく。
- そんな俺を励まそうとしてなのか、メグリはひょこっと顔を覗き込んでくる。
- メグリ
- 「兄さんなら絶対大丈夫です。今まで頑張ってきたことを思い出してください」
- トキヤ
- 「そう、だな」
- メグリ
- 「さあ、そろそろ時間になっちゃいます。自信を持って行ってきてくださいっ」
- トキヤ
- 「ああ。行ってくる!」