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トキヤ
「……美也。その……」
俺は普通の会話が出来なくて、俯いてしまう。
胸の奥がぐるぐるとする。
トキヤ
「どうにか……ならないんでしょうか」
美也
「…………」
トキヤ
「今までも何度か、どうにかなったじゃないですか」
美也
「……偶然で、ですよ」
トキヤ
「でもっ……」
美也
「また、どうにかなったらいいですよね。
私たちの力でどうにかできたら、もっといいです」
美也
「でも……どうにもなりません」
トキヤ
「…………っ」
諦めきったような美也の言葉に、どうにか抵抗して希望を見出したかった。
ただ、何も言えなかった。
わかっているんだ。どうにもならないことだって。
美也
「トキヤくんっ……」
美也を抱き寄せて、腕の中に閉じ込める。
どこにも行かせたくはなかった。
トキヤ
「どうにかできたら……俺が、どうにかしてやれたらっ」
美也
「……っ……」
トキヤ
「俺にそれができたら、どれだけいいんだろうっ。俺が、俺が……っ」
美也
「トキヤ、くん……っ……」
美也もまた、俺に抱きついて顔を胸に埋める。
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