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- ◆ 始
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「え? ええっ!?」
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気付いた時には、もうすでに麗が
覆い被さっている状態で。
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一連の動作があまりに自然すぎて、
咄嗟の反応も出来なかった。
- ◆ 麗
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「ほら、どうですか? 兄さん」
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俺を見下ろしながら、麗がニヤニヤと笑う。
- ◆ 麗
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「あたしは運命の相手でもないし、
なんとも思っていませんよね?」
- ◆ 麗
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「それなのに、こんなことされて……
あたしのこと、嫌いになりますか?」
- ◆ 始
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「ちょ、待て……ちょっと待てっ!」
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麗の顔が近付いてきた。
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綺麗な髪が頬をくすぐって、息が耳をかすめる。
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ドキドキと心臓が高なって全身が熱くなる。
それ以上、もう、息が出来ない。
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言葉も出ない。
- ◆ 麗
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「どうですか? 嫌いなら、そのまま
跳ね除けてください」
- ◆ 麗
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「そうじゃない場合は……」
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その続きがどういう言葉になるのか、
思わず息を飲んでしまった。
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麗の表情も行為を想像するものに変わっていく。
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流されてはいけないという気持ちが、
胸の奥から湧き上がってくる。
- ◆ 麗
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「あたしの好きにしちゃいますよ?」