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- ◆ ???
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「呼ばれて、飛び出て、こんばんはっ!」
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ぬっ、と。
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ディスプレイから、件の美少女の顔が飛び出してきた。
……って。
- ◆ 始
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「うわあああぁぁぁっ!?」
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ぐるん、と視界が回転。
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見覚えのある天井が見えた次の瞬間、
頭と背中に強い衝撃が走る。
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少し遅れて、椅子がガシャンと転がる音がして、
背中と後頭部に鈍い痛みを感じた。
- ◆ 始
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「あ、あわわわ、あわわわっ」
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な、なんだ? 何が起きたんだ?
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今、俺の気のせいじゃなければ、ディスプレイから
急に女の子の顔が出てきたような……
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い、いや、そんな、まさか。そんなことがあるわけがない。
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きっと夢とか幻とか妄想とか見間違いとか、
そういうものに違いない。
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はずだ。
- ◆ ???
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「よっこいしょーっと。失礼しまーすっ」
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気のせいじゃなかった! 画面から
にゅるんと出てきてらっしゃる。
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しかも、上半身から出てくるって、これ、
まるっきりビデオの悪霊とかそういうのだ!
- ◆ ???
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「改めまして、こんばんは。あなたの元に
派遣されました縁結びの神様こと――」
- ◆ 麗
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「麗でっす」
- ◆ 始
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「あわわ……」
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驚きのあまり、俺の耳が言葉を拾うことを拒否している。
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腰を抜かして床に座り込んだまま、画面から出てきた
謎の存在を見上げることしか出来ない。
- ◆ 始
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「ど、どちらさま、ですか……」
- ◆ 麗
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「ですから、麗ですよ。縁結びの神様です」
- ◆ 始
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「神……様……?」
- ◆ 麗
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「いわゆるゴッドですね、G、O、D」
- ◆ 始
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「……マジですか」
- ◆ 麗
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「マジですよ。あなたもさっき見たでしょ?」
- ◆ 麗
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「あんなこと出来るのはそれこそ
人知を超えた存在だけですってば」
- ◆ 麗
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「神様とか悪霊とかね」
- ◆ 始
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「やっぱり、悪霊だった!!」
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それっぽい出方したと思ったら、やっぱりそうだった!
- ◆ 麗
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「いえ、ですから。神様ですって」