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- ◆ ???
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「あいたた……」
- ◆ ???
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「お尻、打っちゃった……ううっ――」
- ◆ ???
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「わ、わわっ、す、すみません、大丈夫ですかっ!」
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ゆっくりと目を開けると同時に、お腹の辺りに
柔らかい感触を覚える。
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そして、最初に目に入ったのは――
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めくれ上がったスカートと、可愛らしい下着。
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……パンツが丸見えだと!?
- ◆ ???
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「あのっ、大丈夫ですか!? どこか
打ったりはしてませんか!」
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世界には偽りが満ちている。だが、決して
真実が失われたわけではない。
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絶対に疑いようのない、宝石のような真実。それは――
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男はパンツが見えたら、嬉しい!!
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これはきっと身を張って女の子を助けた俺に対する、
神様からのご褒美に違いない。
- ◆ 麗
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『あたしのことですか?』
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違う、お前じゃない。勝手に喋るな、記憶の中の麗!
- ◆ ???
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「あ、あのー。もしもーし、聞こえていますか?」
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ちゃんと聞こえています。それにしても、
なんて可愛らしい声だろうか。
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どこかで聞き覚えのあるような気さえしてしまう。
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たとえば、そうテレビとかで……
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……うん?
- ◆ ???
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「あ……あの……」
- ◆ 始
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「……あ」
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あ、ああああああ、赤城鈴奈さんだっ!?
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落ち着いて見てみたら、赤城鈴奈さんだよ!!
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う、うわわわっ。お、俺、赤城鈴奈さんの
下敷きになっている!
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お、落ち着け、俺。赤城鈴奈さんって何回脳内で言えば
気が済むんだ?
- ◆ 鈴奈
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「あの、どこか痛いところとかありませんかっ」
- ◆ 始
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「あ、いえ、光栄です!」
- ◆ 鈴奈
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「え? えぇっ!?」
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ど、どどど、どうしよう。アイドルだ。
アイドルの下敷きになっている、俺。
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うわっ、うわっ。階段から落ちてくるところを
助けるなんて、ちょっとベタじゃないかな?
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いや、でも、こういうのが運命的な
出会いってやつだよな。
- ◆ 始
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「きっと……これが運命だったんです」