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- ◆ 由香里
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「優しく触ってくれるんだね、先輩」
- ◆ 始
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「ただでさえ壊れそうに思えるからな、由香里は」
- ◆ 由香里
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「そこまで弱いつもりはないけれど。
言い訳は出来ないね」
- ◆ 由香里
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「それに、大事にしてもらえるのは、
悪い気はしないから……んぅ」
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俺の指が動くのに従って、由香里の身体は敏感に揺れる。
- ◆ 由香里
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「先輩に見てもらうための下着……だしね」
- ◆ 始
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「そ、そうなのか?」
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思ってもみなかった言葉に、思わずドキッと胸が弾む。
- ◆ 由香里
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「今はそういうことにしておいてほしいかな」
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由香里の本心なんて見抜けないことの方が多い。
それなら、そういうことにしておこう。
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たとえ冗談だったとしても、俺のためにという言葉が
嬉しいことに違いはない。
- ◆ 由香里
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「それより、先輩……」
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由香里の細い指が、俺の手の甲をそっと撫でる。
- ◆ 由香里
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「私の、なだらかで触り甲斐のない胸だけど、
一箇所だけなら、他の女性と同じ部分がある」
- ◆ 由香里
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「あとは……全部言わなくても分かる、よね?」
- ◆ 始
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「ああ。分かってるよ」
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普段は分かりにくいこともある由香里のおねだりだけど、
今は分かりやすい。
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つまり、そこに触れてほしいと。そういうわけだ。
- ◆ 由香里
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「それじゃあ……ああ、ホックは自分で外すよ。
男性には馴染みがないものだろうから」
- ◆ 始
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「ああ、うん。そうしてくれると助かる。
流石にそういうことは練習出来ないから」
- ◆ 由香里
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「そうなんだ。てっきり、麗ちゃんで
しているのかと思った」
- ◆ 始
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「するわけないだろ。というか、本当に
そうだったらどう思うんだよ」
- ◆ 由香里
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「……なるほど。少しばかり嫉妬してしまいたくなる」
- ◆ 始
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「少し?」
- ◆ 由香里
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「こほん。それでは、先輩。外すよ」
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わざとらしい咳払いは、恥じらいの裏返しだろうか。
- ◆ 始
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「ああ」
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少し微笑ましく思いながら頷いた。