グラフィック紹介。

お助けハプニング。
結莉夏
「……あ……!?」
 その途端、何かにつまずいたのだろう。
 先輩の体が、前へと揺れる。
トキヤ
「っと、先輩っ!」
 反射的に腰を上げながら、先輩を支えようと両腕を伸ばす。
 だけど、中途半端な姿勢では先輩をしっかりと受け止めることが出来ずに。
 巻き込まれるように、俺も体勢を崩してしまう。
トキヤ
「――っ!」
 視界の端に見えたのは、保健室のベッド。
 床に転んでは先輩が怪我するかもしれないと、ベッドに体を傾けて――
 ぼふっ!
トキヤ
「だ、大丈夫ですか? 先輩……」
 感じたのは柔らかい衝撃。
 どうやら、咄嗟にベッドの方に倒せたようだと、ホッと息を漏らしたのも束の間。
 気が付くと、先輩の顔が近くにあった。
 というか、ベッドに押し倒す体勢になっていた。
結莉夏
「す、すみません。助かりま、し……た……」
 ゆっくりとまぶたを持ち上げた先輩と目が合う。
 不意に、沈黙が訪れた。
トキヤ
「えっと……」
 突然の出来事に、頭が上手く回らない。
 ど、どうすれば、いいんだろう……
結莉夏
「あ、っ……そ、その、ト、トキヤくん……!」
 とても恥ずかしそうに顔を真っ赤にした先輩。
結莉夏
「……あ、あ、あの、その……」
 言葉が上手く出てこないのはよく分かる。
 俺も同じようなものだったから。
トキヤ
「結莉夏先輩……」
 だから、ようやく紡げたのは先輩を呼ぶ声だけで。
結莉夏
「ぇ……? ぁ……」
結莉夏
「…………はい」
 それを聞いた先輩が、静かに目を閉じる――
 って、ええええええっ!?